株式会社 協同病理
アポトーシス
最終更新日:2016.04.07

■ APOPTOSIS関連 ■
Anti- 抗体名 略称 別名 HOST CLONE名 適用
Human bcl-2 Oncoprotein bcl-2 N-19 Rabbit Poly P*
Human Caspase-3 Casp3 CPP32 Rabbit Poly P*
Human Caspase-8 Casp8 FLICE,Mach,Mch5 Mouse 11B6 P*
  TdT-dUTP Nick End Labelling TUNEL DNA Fragmentation TUNEL method
Human Fas Fas APO1,CD95 Rabbit Poly P
Human Fas-ligand FasL CD178,CD95L Rabbit Poly P
Human NFκB p50 subunit NFκB c-Rel Rabbit Poly P*
Human single stranded DNA ssDNA   Rabbit Poly P
Human Tumor Necrosis Factor-alpha TNFα   Mouse 2C8 P*
Human p53 protein (DO7) p53(DO7)   Mouse DO-7 P*
Human p53 protein (phosphospecfic) p53phos   Mouse FP3-2 P*
Human p53 protein (CM1) p53(CM1)   Rabbit Poly P*
Human p53 protein (CM5) p53(CM5)   Rabbit Poly P*
Human p63 protein p63   Mouse 7JUL P*
Inhibitor of apoptosis proteins:IAP  
Human,Mo Survivin SVV BIRC5,IAP4,AIP4 Rabbit Poly P*


■ APOPTOSIS関連 ■
Apoptosis(αποπτοσισ:アポトーシス)とは、ギリシア語で「落葉」を意味する言葉を語源とするらしい。 1972年Kerrらによって提唱された概念で、ウィルスに感染した細胞、免疫機構に寛容されなくなった細胞など生体の恒常性維持の障害となる細胞が内在的にプログラムされたシステムによって自己破壊していく現象、あるいはそのプロセスをいう。核・細胞質の濃縮、断片化、細胞膜で覆われた核片"Apoptotic body"の形成などの形態的変化のほか、DNAは活性化されたDNaseにより最終的に200bp程度にまで断片化する。特徴的なのはこれらの変化が単細胞レベルで起こり、食細胞による貪食、消化処理が早いことと、崩壊過程での細胞質内酵素の流出がほとんどなく周囲に二次的な炎症反応を起こさない点である。

Casp8
Casp8 乳癌 X400
Fas
Fas 皮膚 X400
FasL
FasL 皮膚 X400
ssDNA
ssDNA 肝 X400
TUNEL
TUNEL 精巣 X400
TNF-α
TNF-α X400
bcl-2
bcl-2 LN X400
bax
bax 子宮癌 X400

Apoptosisのトリガー(引き金)には複数の系が知られている。主なものはFasL/Fas、TNF/TNFR、Cytochrome Cを介するもので、概略、次のような反応プロセスを経てApoptosisに至る。(実際にはもう少し複雑に反応がカスケード(滝)のように連鎖して進行する)
  CytochromeC bax/bax bcl-2/bax
   
FasL Fas FADD Caspase8 Caspase3 DFF Apoptosis
    (ssDNA,TUNEL)
  TNFα TNFR TRAD  

Caspase
CaspaseはCys残基を活性中心に持つcysteine protease(cysteine aspartate-specific proteases)ファミリーに属し Apoptosisに関わる蛋白質分解酵素(EC 3.4.22.36)の総称で、 ICE/CED-3 protease family cysteine proteaseとも呼ばれる。(ICEはInterleukin-2β converting enzymeの略。CED-3はC.elegansのced-3 に相当するものでced は celldeath の意味らしい。)現在14種類ほどが知られているが、いずれも約20kDと約10kDほどの2つのサブユニットを持ち、これがカスパーゼ活性化蛋白(caspase activating protein, CAPP)により分解されることによって活性化する。

Caspaseの種類と別名
Caspase Gene 別名 Caspase Gene 別名
Caspase1 11q22.2-22.3 ICE Caspase8 2q33-q34 Mch5 MACH, FLICE
Caspase2 7q35 Ich-1/Nedd2 Caspase9 1p36.1-36.3 Mch6/ICE-LAP6
Caspase3 4q35 CPP32/Yama/apopain Caspase10 2q33-q34 Mch4/FLICE2
Caspase4 11q22.2-22.3 TX protease/Ich-2/ICErel-II Caspase11 11q22.2-22.3 Ich-3
Caspase5 11q22.2-22.3 TY protease/ICErel-III Caspase12 11q22.3  
Caspase6 4q25 Mch2 Caspase14 19p13.1  
Caspase7 10q25.1-25.2 Mch3/ICE-LAP3/CMH-1/LICE2/SCA-2



Casp3とFasLの相関
Casp3
Casp3 X400
FasL
FasL X400

DNA Fragmentation Factor (DFF)
アポトーシスApoptosisを起こした細胞では、核DNAはリンカー部で切断され、約180塩基対の整数倍の長さの断片Fragmentになる。 DFFはこのDNA Fragmentation(断片化)を引き起こす蛋白で、40kD (DFF40) 及び45kD (DFF45)のサブユニットからなるヘテロダイマーを形成しており、この内DFF40はDNA分解酵素 Caspase-activated DNase(CAD)として働くが、DFF45は Inhibitor of CAD (ICAD)としてその活性を妨げている。Caspase3によってこれが切断されるとCADとして活性化する。→ 【 D 】 DFFの項参照

Fas (APO1,CD95)
膜貫通領域を有する48kDのT型細胞膜蛋白で、Tumor necrosis factor受容体(TNFR)ファミリーに属する細胞表面受容体。 Fasリガンドと結合すると三量体を形成し、FADDなどアダプター分子を介してCaspase-8の前駆体を含んだ多量体(DISC)を形成し典型的なApoptosisを誘導する。APO-1とも呼ばれるほか、CD95としても分類されておりHIV感染細胞やSLEでのT細胞において過剰発現が見られる。→ 【 F 】 Fasの項参照

Fas Associated Death Domain (FADD,MORT-1) protein
FasとCaspase8との間に介在する「アダプター分子」と呼ばれる23kDの蛋白質。 Fasの細胞内ドメインの一部とDeath domain(DD)と呼ばれる共通の構造を有し、またCaspase8のN末端側ともDeath effector domain(DED)と呼ばれる共通の構造を持つ。 TNFR(CD120a,p55)や DR3(Death receptor3,別名Apo3,TRAMP,LARD,WSL-1とも)でのApoptosisのシグナル伝達にも関係している。→ 【 F 】 FADDの項参照

Fas Ligand (FasL)
TNF類似の分子量40kDのU型膜貫通蛋白質。TNFとともにいわゆるデス因子と呼ばれるもので、Fasと結合することによってApoptosisを誘導する。→ 【 F 】 FasLの項参照

Fas Associated Death Domain (FADD,MORT-1) protein
EndonucleaseによるDNAの断片化が起こった断端部の一本鎖となったDNAを免疫組織化学的に検出する。そのLabelling IndexでのTUNELとの相関は r =0.6613(p<0.0001)との報告がある。(Detection of Apoptotic cells in Human Colorectal Cancer by Two Different in situ methods:Antybody against Single-stranded DNA and Terminal Deoxynucleotidyl Transferase-mediated dUTP-biotin Nick End-labelling Methods; Watanabe,et al. :Jpn.J.Cancer Res.90,188-193,1999) 現在までの自験例ではTUNELよりも低いデータが得られている。→ 【 S 】 ssDNAの項参照

TdT-dUTP Nick End Labelling (TUNEL) method
Fragmentationの起こったDNAの検出方法。TdT-dUTP Nick End Labelling (TUNEL) methodそのものは免疫反応ではなく、断片化したDNAの"nick end"(3'-OH末端)にビオチンで標識したdUTPをTdTにより結合させる方法であるが、酵素抗体法または蛍光抗体法の一部を応用することによって、組織切片上で反応を可視化できる。組織材料に対しては4%PFA固定が推奨されているがホルマリン固定組織でも可能である。ただし固定条件と蛋白分解酵素処理の条件との兼ね合いで結果が影響を受けやすいので注意が必要で、時に過剰な反応も見られた。スライド培養細胞、細胞塗抹標本の95%アルコール固定でも可能だが、やはり蛋白分解酵素処理の条件(未処理も含め)をいろいろ変えて確認したほうがいい。 →INFORMATION No.91 → 【 T 】 TUNELの項参照

Tumor necrosis factor-alpha (TNFα)
マクロファージ、リンパ球が産生するサイトカインの一種で17kDの蛋白。多くの細胞がTNFレセプター(TNF-R,p55,CD120a)を有しており、これと結合することによってFasL/Fasと同様にApoptosisを誘導するデス因子として知られる。→ 【 T 】 TNFαの項参照

bcl -2
ミトコンドリア外膜、小胞体、核膜に局在する蛋白で基本的にはApoptotic protease activating factor(Apaf)であるチトクロームc放出の抑制や Caspaseの酵素活性の阻害によりApoptosisを抑制する働きをするが、二量体を形成する際に同じファミリーに属するBaxやBag-1、Badなどの蛋白と結合してヘテロダイマーを形成すると結合した蛋白の種類によっては逆にApoptosisを促進させる働きをもする。→ 【 B 】 bcl -2の項参照