酸化ストレス・熱ショック・低酸素
最終更新日:2018.10.05
御注意下さい:これは貴方がご覧になっている時点での保有抗体を正確に示すリストではありません。
フリーラジカルと酸化ストレス
フリーラジカル Free radicalとは本来「遊離基」の意味だが、一般には不対電子と呼ばれる奇数個の電子を持ち不安定で化学反応が起きやすい原子や分子(分子式などの前に「・」を付けて表示される)を指し、さらには酸化作用の強い活性酸素、過酸化水素、亜硝酸イオンなども含めた総称として使用されることもある。スーパーオキシドアニオン(O2-)、過酸化水素(H2O2)、ヒドロキシラジカル(・OH)などの活性酸素種(ROS)や、パーオキシナイトライト(ONOO-)などの一酸化窒素種(RNS)があり、これらはミトコンドリアの電子伝達系で酸素から水への反応過程や、白血球のミエロペルオキシダーセ、好酸球ペルオキシダーゼによる貪食作用の過程、或いはNOSによってアラキドン酸の代謝過程で生じるNOなどから生成される。生理活性としては、活性酸素は貪食作用による異物処理、一酸化窒素は血管拡張作用が知られているが、 ERK1/2、JNK/SAPK、p38などMAPKを活性化してNF-κBやAP-1のような転写因子の発現を刺激するシグナル伝達物質としても働く。また、強い酸化作用によって脂肪、特に多価不飽和脂肪酸を酸化LDLなどの過酸化脂質(4-HNEなど)に変えたり、ニトロ化されたチロシンの3-ニトロチロシン、RNAの酸化による8-ヒドロキシグアノシン(8OHdG)などのように蛋白や核酸を変性させるなどして老化や組織傷害、さらに癌化を促進すると考えられている。この様な生体、組織への影響を酸化ストレスと呼ぶ。 一方、O2-をH2O2に変えるスーパーオキシドジスムターゼ Superoxide dismutase(SOD)や、H2O2を H2Oに変えるカタラーゼ、ペルオキシダーゼなどの抗酸化酵素、フリーラジカルスカベンジャーと呼ばれるグルタチオン,α-トコフェロールなどの抗酸化剤が生体、組織を酸化ストレスから防御している。 |