神経・神経内分泌・Melanoma
最終更新日:2020.05.26
御注意下さい:これは貴方がご覧になっている時点での正確な保有抗体を示すリストではありません。
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左からCD57,CD56(NCAM),NSEに対する抗体を用いた大腸粘膜下組織の免疫組織化学所見。同じ神経系の抗体でも比較すると反応の違いがよくわかる。 @CD56(NCAM)/CD57とNSEとでは特に神経節細胞の染色性が異なる。 ACD56(NCAM)は細い神経線維にNSEよりもよく反応しており、一方CD57では反応していない。 BCD56(NCAM)とCD57ではリンパ球にも陽性細胞があるが、両者の陽性細胞には違いがある。 |
Melanoma, HE |
Melanoma, MelanA/PAS |
Melanoma, MelanA/Giemsa |
Melanoma, MelanA/T-blue |
酵素抗体法を用いてMelanoma(悪性黒色腫)関連抗原を検出する際に問題となるのは、発色基質として一般的に使用されている3,3'-diaminobenzidine(DAB)の発色と色調が似ているメラニン色素 Melanin pigmentとの鑑別である。その対策としては、
1)いわゆる「脱メラニン」処理を事前に行う(過酸化水素水に1時間以上浸漬しておくだけでも効果はある)、
2)発色基質(あるいは標識酵素を含めて)を替えて異なる色調で発色させる という方法が一般的には用いられているが、DAB発色を選択せざるを得ない場合などには、3)DABまたはメラニンの色調を後から変換するという方法もあり、中でもメチレンブルー、トルイジンブルーあるいはギムザ液などで後染色するとメタクロマジーによってメラニン色素が青味がかった緑色に、
PAS(過ヨウ素酸-シップ反応)ではピンク〜赤紫色になることが知られている(「渡辺・中根 酵素抗体法」,p186,名倉宏・長村義之・堤寛編,学際企画,2002)。ただ、2)、3)の方法を用いても、実際にはMART-1のコラムに提示した画像のようにメラニン色素の少ない部分で評価・判定することになるので、上図に示すようにメラニンの産生・蓄積の強い症例で抗原の局在が完全に重なる場合には鑑別が容易でないこともある。HE染色での情報などをもとに事前に1)の処理をきちんとすることが、やはり基本と言えよう。 |