株式会社 協同病理
用語解説
最終更新日:2015.6.22
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医療関連サービス業とは

医療関連サービスマーク 医療法(昭和23年7月30日法律205号)第15条の2にある"医師等の診療又は患者・妊婦等の入院・入所に著しい影響を与える業務"を医療関係機関等に提供する民間事業者の業務を総称したもので、医療法施行令(昭和23年10月27日政令326号)第4条の7により「検体検査業務」「滅菌消毒業務」「患者給食業務」「患者搬送業務」「医療機器の保守点検業務」など8つの業務が定められています。
これらの業務を適正に行う能力のあるものとしての基準は、医療法施行規則によりそれぞれの業務ごとに定められています。
また、財団法人医療関連サービス振興会により政令による基準を上回る認定基準(「検体検査業務」に携わる衛生検査所についてはISO 9001及びISO 15189 Medical laboratories -- Particular requirements for quality and competence 臨床検査室 − 質と適合能力に対する特定要求事項に準拠したQMSが求められます)に基づく「医療関連サービスマーク制度」が実施されており、認定された施設のみに所定のマーク(左図)の掲示が認められています。(当社の認定番号は E(10)- 1106280439 です)



登録衛生検査所とは

「臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律」(昭和33年4月23日法律第76号、改正:昭和55年法律第105号)第20条の3により、“業として法で定められた検査を行う場所”として都道府県(政令指定都市等にあっては市)に登録された事業所のことです。(当社は神医第04D-001号として神戸市に登録されています)
政令により専門的技術・知識を有する有資格者の配置、業務や検体の受付、検査項目の登録をはじめ検査の実施方法や機器の管理など、全てマニュアル化(標準作業書)するなど、人的過誤を防止するために体系的な精度管理が義務づけられ、専門家による定期的な立入り調査も実施されています。
また、実施する検査内容によって「病理学的検査」「微生物学的検査」「血清学的検査」「血液学的検査」「寄生虫学的検査」「生化学的検査」に区分されていますが、当社は「病理学的検査」専門に特化した兵庫県内で最初(医第04-01号)の登録衛生検査所です。


臨床検査技師とは

「臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律」(昭和33年4月23日法律第76号、改正:昭和55年法律第105号)第2条に定められた検査(臨床検査)を"業"として専門に行う者の国家資格です。
臨床検査とは、患者から得られる検査材料(検体)を基に検査データを報告することにより、医師の正しい診断と治療のために診療支援をする業務をいいます。他方、検査は将来起こりうる病気を予測するという"予防"の役割も担っています。検体検査のみを行う「衛生検査技師」という資格が先にありましたが、検査業務の専門化と高度化が進み1970年に法律が改正され臨床検査技師の資格が生まれました。
また、これと関連して臨床検査技師の中でのより専門的な資格として細胞検査士や超音波検査士などの資格もあります。このように臨床検査の仕事はさらに分化が進んでいます。


認定病理専門医とは

日本の医師免許取得後に日本病理学会が認定する研修施設で5年以上病理学研修を行い所定の研修内容を終了した後、日本病理学会が実施する専門医試験(筆記試験、実技試験)に合格し、日本病理学会専門医制度運営委員会で審議、認定された医師です。
詳しくは 日本病理学会ホームページ をご覧ください。


細胞検査士とは

日本臨床細胞学会日本臨床検査医学会による認定資格で、大学等で日本臨床細胞学会の認定する課程を修めた者または臨床検査技師の国家資格を持ち一定の実務経験を有する者で、年に1度行われる細胞検査士認定試験(筆記試験・実技試験)に合格した者に与えられます。4年ごとに更新があり、その時点で一定の基準(学会やセミナーの参加等)を満たしていないと資格を更新することができません。
詳しくは 細胞検査士会ホームページ をご覧ください。
なお、日本国内でこの「細胞検査士」資格を取得すると国際資格であるCytotechnologist(IAC)の受験資格が得られます。


Cytotechnologist(IAC)とは

細胞検査士の有資格者は、International Academy of Cytology(IAC)の認定試験に合格するとCytotechnologist(IAC)として登録されます。これは通常、“CTIAC”と略され、英文表記の氏名の後ろに称号として付記されます。(これに対して、日本国内での細胞検査士資格は“CTJSC”と称されています。)このCTIACの資格も4年ごどに審査を経て更新しなければなりません。
なお、CTIACの資格取得後に研究業績などを添えて申請し、registration commityの審査を経てIACのmember shipを得ると称号は“CMIAC”となり、さらにCMIAC取得後、5年以上教育実績などを積み推薦、審査の手続きを経てfellow shipを取得した者は“CFIAC”となります。


細胞診専門医とは

認定専門医制度のひとつ。日本の医師免許取得後5年以上で、かつ5年間以上にわたり細胞診断学の研修を受け、日本臨床細胞学会が実施する細胞診専門医試験の受験資格を持つもので、年に1度行われる細胞診専門医試験(筆記試験)に合格した医師です。認定資格ですので4年ごとに更新があり、その時点である一定の基準(学会やセミナーの参加等)を満たさないと更新することができません。



労働安全衛生法とは

職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的として昭和47年(1972)に制定された法律(昭和47年6月8日法律第57号)で、略して「安衛法」と呼ばれています。 この法律と労働安全衛生法施行令 (安衛令:昭和47年8月19日政令第318号)、労働安全衛生規則(安衛則:昭和47年9月30日労働省令第32号)、特定化学物質障害予防規則(特化則:昭和47年9月30日労働省令第39号)等によって、取扱者の安全・健康保護の観点から化学物質を含む危険物および有害物に関する規制が設けられています。




特定化学物質とは

「特定化学物質」とは、法律により規制対象に指定されている特定の化学物質のことを言いますが、一般には毒物及び劇物取締法、覚せい剤取締法、麻薬及び向精神薬取締法、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律、原子力基本法などに規定された化学物質は除いて、 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律労働安全衛生法に基づく特定化学物質障害予防規則で規定された化学物質のことを言います。

特に、病理学関係では、「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令」(平成19年12月14日政令第375号)および「特定化学物質障害予防規則等の一部を改正する省令」(平成19年12月28日厚生労働省令第155号)によってホルムアルデヒド(ホルマリン)が特定第2類物質に指定され、その管理濃度が0.1ppm(0.1mg/m3)以下に規制され、 特定化学物質取扱い主任者の選任と作業記録の保管、第一種作業環境測定士(作業環境測定法施行規則別表第4号の登録が必要)による作業環境測定、健康診断、機械の自主点検等の実施と記録の保管など厳しく規制されています。



特定化学物質障害予防規則とは

元は特定化学物質等障害予防規則(昭和47年9月30日労働省令第39号)と呼ばれていたもので、労働安全衛生法に基づく厚生労働省令です。略して「特化則」と呼ばれています。この規則では、労働者の健康障害防止の観点から次の分類で特定の化学物質が規定されています。
  第1類物質:がん等の慢性障害を引き起こす物質のうち、特に有害性が高く厳重な管を必要とする物質
  第2類物質:がん等の慢性障害を防止すべき物質で、オーラミン等、特定第2類物質、管理第2類物質に区分
  第3類物質:大量漏えいにより急性中毒を引き起こす物質



作業環境評価基準とは   
特定の化学物質等を扱う職場の作業環境を評価する方法や基準などは昭和63年9月1日労働省告示第79号(平成23年3月30日改正:厚生労働省告示第92号)によって定められており、結果は次のように3つの「管理区分」に分けて評価されます。
  第1管理区分:作業環境管理が適切であると判断される状態
  第2管理区分:作業環境管理になお改善の余地があると判断される状態
  第3管理区分:作業環境管理が適切でないと判断される状態

作業環境の測定にはA測定とB測定があり、B測定は作業従事者が実際に暴露する物質濃度がもっとも高くなると推定される条件(時間、位置など)で作業中に測定し、その実測値を管理濃度(0.1ppm)と比較するという評価方法であるのに対して、 A測定は「作業所」内の最低5か所以上の地点で測定し、次のような計算式から算出した「第一評価値」「第二評価値」によって評価区分されます。
    log [第一評価値]=log [実測値の平均値] + 1.645 √(log2 [実測値の標準偏差] + 0.084)
    log [第二評価値]=log [実測値の平均値] + 1.151 (log2 [実測値の標準偏差] + 0.084)

プッシュプル局所排気装置当社では第1管理区分を維持していますが、そのためにはA測定、B測定結果共に第T評価区分でなくてはなりません。A測定では5点間の測定値が全て管理濃度以下であっても、その標準偏差によっては評価が低くなる可能性があります。左図のようなプッシュプル型の局所排気装置を設置するだけでも実際の作業時の暴露量の軽減にはかなり効果がありますが、抜本的な職場環境の改善のためには建屋の構造や微弱な気流計算も含めた大きな工事が必要となる場合も少なくありません。



化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律とは

人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息・生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質による環境の汚染を防止することを目的として昭和48年(1973)に制定された法律(昭和48年10月16日法律第117号)で、略して「化学物質審査規制法」とか「化審法」と呼ばれています。 平成21年5月の改正(平成23年4月1日より第2段階改正施行)により、すべての化学物質は「第一種特定化学物質」、「第二種特定化学物質」、「監視化学物質」、「優先評価化学物質」、「一般化学物質」に分類されていますが、新規化学物質のみならず約20,600の既存化学物質のすべてについて、年度ごとに1t(第二種特定化学物質と監視化学物質は1kg)以上の製造・輸入を行った事業者に数量、用途等の届出義務が課せられます。
詳細は、経済産業省 製造産業局 化学物質管理課 化学物質安全室でご確認ください。


化学物質排出把握管理促進法とは

化学物質の管理を改善し、環境保全への支障を未然に防止することを目的として平成11年(1999)に制定された法律で、正式には「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の促進に関する法律」(平成11年7月13日法律第86号)と言いますが、略して「化管法」あるいは「PRTR法」などとも呼ばれています。 この法律では、事業所間で対象化学物質を譲渡する際に「化学物質等安全データシート」Material Safety Data Sheetを提供する「MSDS制度」(平成13年1月より実施)と、年度ごとの第一種指定化学物質の環境中への排出量及び廃棄物に含まれての移動量を毎年4月1日から6月月30日までの間に国に届け出るPRTR(Pollutant Release and Transfer Register)制度(平成13年4月より実施)を主な内容としています。

PRTR制度は、医療業(分類コード8800:医療関連サービス業を含む)、高等教育機関付属施設(9140)、自然科学研究所(9210)など23の指定業種のうち、全事業所での常用雇用者数が21人以上で年間取扱量が1t(特定第一種指定化学物質は0.5t)以上の事業者が対象となります。

MSDS制度は、対象化学物質の含有量が1%(特定第一種指定化学物質は0.1%)未満のものなどを除き、第一種指定化学物質、第二種指定化学物質を取り扱う全ての事業者が対象となります。
詳細は、経済産業省 製造産業局 化学物質管理課でご確認ください。